キジログ@愛

鴨宮☆隆がその半生を綴るブログ

蘇生

2〜3年に一度ぐらいの頻度で、人生の危機というか、転換点というか、そういった大きな出来事が起こります。これは現実世界において私が引き受けなければならない『責任』の話です。主に仕事でなのですが、私って普段はテキトーでも大丈夫なのに、いざという時は責任を取らなくてはいけない立場だったりしますので、もう大変ですよ。でも逃げたいとか、捨てたいとか、ぶら下がりたいとか、そう思ってもどうにもならないので、嫌な事は真正面から受け止めるようにしています。そんな私って結構大人だな、なんて我ながら思います。でも、辛いものはどうしたって辛い。そういうときの私は大抵、灰色の気持ちに全身を支配されてしまいます。

一度気持ちが灰色に染まりますと、街の景色も同じ色に見えてきます。そこを歩く人たちも同様に。誰もが何も考えてなさそうに見えます。世界中でただ私だけが辛いのです、他の人は何も考えないで楽をしている。そもそもあれは人ではない。背中のファスナーを開けたら中からは見たこともない様な宇宙人が出てくるのだ。みんなが私を騙している。

…という阿呆らしい気持ちを処理する事にも、歳を取るにつれ幾分か慣れてきました。気持ちをうまく処理するのに必要なのは休養、娯楽、読書、音楽、そして何よりも「時間」がいちばん大事です。何もしなくたって、短くて数日、長くても数ヶ月経てば平静を取り戻せます。人間て、そういう風に出来ているのです。

きっと、仮面ライダーのそれのような、私の背中のファスナーを開けた奥深くにいる、暗闇の中で泣いていた子供もたぶん、私の被る外面と共に、それなりに歳を取ったのでしょう。心の奥底から『今だけだよ、大丈夫』そんな風に微笑んでくれている気がします。

今日は月に一度の出張で、某地方都市に来ています。この地方では午前中から雨が降りはじめました。昔に比べてだいぶ積み荷の減った社用車を走らせ、長年付き合いのあるお客に、会社としての今後の方針を一軒一軒伝えて回りました。色々な反応をされました。

夕方、ホテルに着く頃になっても雨は上がりません。でも、私の心にはいつも、雨上がりの晴れた空に浮かぶ様な、大きな一筋の虹が架かっています。今までに乗り越えて来た過去の分だけ、その虹は大きく輝くのです。今回は、この虹にどんな色が加わるのでしょうか。そうして私はまた、この醜くも美しい世界で、何度でも、何度でも、生まれ変わって行くのです。


Mr.Children「overture ~ 蘇生」Mr.Children TOUR POPSAURUS 2012

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