鴨のブログ@愛

おじさんの私的でステキなブログ@妄想系

おじさんの妄想(エロいの)をメインに日々の出来事を綴っていきます。たまにレビューなども。

自閉症の甥っ子

姉の長男が自閉症です。私の甥にあたる子です。赤ちゃんの頃は別に何ということもありませんでした。しかし他の子供より言葉の遅かった甥は2歳か3歳かくらいの頃、その様に診断されたのだそうです。その頃はまだ幼くて、はたから見たら障害があるとは分からない感じでした。幼い子供なんて私みたいな部外者から見れば大体同じに見えます。診断を下された甥には若干の知能の遅れがあり、カテゴリ的には多動に属するのだそうです。甥は現在6歳。物事に対する異様な執着であったり、人の言うことを聞かない(聞けない)事であったり。接していると、そうなんだなあ、と分かります。

甥は来年から小学校に上がります。現在は幼稚園に通いながら週に数回療育へも通っています。2歳の次男坊を抱えた姉は、上の子への対応に心が折れてしまった様です。最近では母が姉の家に行き孫の面倒を見ています。電車で行ける距離なのは幸いな事です。自閉症の甥は今ではすっかりお婆ちゃん子になっています。

甥の父親とは普段から会う機会も多く、よく知っている人です。身なりを気にしないタイプで不摂生、その冴えない風貌は周りから実年齢よりも10歳程上に見られます。都会で育った一人っ子で、よく言えば細かいことを気にしないタイプ、悪く言えば坊ちゃん気質の抜けないような人です。昔はよく大酒を飲み気の置けない義兄でしたが、子供が生まれた後は姉からの圧により酒を禁止され、家の中での煙草を禁止され、楽しみといえば勤務中の昼寝と、帰宅前に車の中に一人篭ってプレイするスマホゲームなのだそうです。

姉は一言で言えば境界例に近い人で、若い頃から酒、煙草、通院、薬、そういったものに依存しながら生きていました。母から与えられた虚無の自己肯定感と現実の自分との間に耐え難いものを得ている様で、隣の芝生が「強烈に」青く見えてしまう生来の性癖を持ち、子供の頃からいつも「あの子はこうだ」「あっちの子はああだ」と他人の方ばかりを見て、いつも自分と人とを比べていました。

母は常に誰かに依存しなければ行きていけないタイプで、誰かに尽くす事こそが彼女の人生であり、自分の子供が小さい時分は子供に、田舎に住む両親が寝たきりになったときは両親に、夫が癌に侵された時は夫に、何れの場合も愛情以上の物を糧としながら、身を削るような献身を旨に、他人にしがみ付いて生きていました。

これらの大人3人は比較的私の近くにいるものですから、彼らの動向はちょくちょく耳に入ってきます。先にも書きましたが最近では老齢の母が仕事を終えた後、電車だかバスだか知りませんが、小一時間かけて姉の家に行き夜中まで孫の世話をして、その間姉はのんびりしていて、義兄は自宅前の駐車場で一人車の中でスマホゲーをして心が落ち着いた頃に玄関の扉を開け帰宅するのだそうです。なんだか全員がおかしな大人のように思えますが、しかし現代社会を生きる人間として彼らを見た場合十分な社会性を持った「普通の大人」と言えますし、誤解を恐れずに言えば、なんなら「まだマシな方」とも言えます。

子育てなんてものは想像以上に大変だし、特にそれが障害を持った子供であれば尚更でしょう。私は当事者ではありませんから彼らの細を穿った心情までは分かりませんし、また甥について何ら責任を取れる立場でもないので、言うべき事は何もありません。でも母が泣きながら私に話す、自分の息子に非道い暴言を吐く母親の形相であったり、躾と称して息子を蹴る父親の巨躯であったり、その所為で怯えながら「おばあちゃんかえらないで」と懇願する自閉症の息子であったり、そんな話を聞いてしまうと、何故なのか、何がいけないのか、誰かが悪いのか、いや誰も悪くはない、等とどうしても色々考えてしまうのです。幸いにもそれら大人の行いは、言えば躾と言えなくもない、比較的軽微なものなのだそうです。母はそう言っていました。

大人は自らの責任で「診断」を避けることが出来ます。でも子供はそうではありません。この記事には答えもないし、読んでて気分が良くなるものでもありませんが、ただ大人は無条件に子供を守るべきだし、社会はそれをさせる空気を持つべきだし、そういう当たり前の事が普通にできる仕組みとか、誰も苦しまないで済むような世の中になって欲しいとそう思っていて、今回はそういう思いを下手なりに綴っているのです。

電車が好きな甥っ子に、電池で動いて音も出るイカした電車のオモチャを買ってやりました。おばあちゃんに何度か促された後、ようやく私に「ありがと」と素っ気ないお礼を言う甥。新しいオモチャで一心不乱に遊ぶ小さな背中と、そんな自分の子供を笑顔で見守る両親の姿を見て、ああ、確かにそこに愛はあるのだな、なんて、当たり前の事を改めて感じて、私も笑顔になりました。ただそれだけの事です。f:id:gibraltar_may_tumble:20170725102924p:plain