キジログ@愛

鴨宮☆隆がその半生を綴るブログ

スポーツスター1速カコン対策

私の所有する2000年式スポーツスターにも、持病であるいわゆる「1速カコン」の症状が出て久しいのですがかれこれ10年ぐらい放置しております。しかし乗っていてストレスだし、なんならこの症状のせいでバイクに乗ること自体も億劫になっているので重い腰を上げ対策を施すこととしました。コロナで暇だったので。 

~これは自動車工学も何も知らない素人が「バイクにおける結構面倒くさい場所の修理」を完遂するまでの記録である~

その1「原因追及と準備」 

さて思い立って修理する気になりましたが原因も何も分かりません。車検のときいつも世話になってるバイク屋に聞いたら「ディテントプレート」とかいう部品を交換すれば直るかも、との事でした。なにそれ知らない。

ともあれその情報を元にネットで調べると出るわ出るわ、みなさんスポーツスターの1速カコン問題にはかなり悩まされているようです。そんな中、交換手順を丁寧に書いているブログを見つけましたのでそれをまんま真似て修理することにしました。(参考サイトは文末に挙げておきます)

入念な調査(=情報丸ぱくり)をした上で必要な部品と工具をそろえます。

【必要な部品】

  • ディテントプレート(純正部品、3000円くらい)
  • プレートを留めるリテーナスプリング?とかいうやつ(10枚3000円くらい)
  • プライマリーカバーのガスケット(3000円くらい)
  • プライマリーオイル(1000円くらい)

【必要な工具】

  • 大きいナットを外す用のロングスピナーハンドル(2000円くらい)
  • 大きいトルク(350Nm)に対応したトルクレンチ(10000円くらい)
  • 大きいナットを外す用の六角ソケット×2つ(合計で5000円くらい)
  • 特殊工具(プライマリーの中のスプロケットを固定する鉄の板、3000円くらい)

ちょ、待てよ。すでに相当な出費なんですけど?
言うてもバイク屋に出して取られる工賃を考えれば手元にブツ(工具)が残るだけいいのかな、と自身を納得させながらポチりました。
あとそれと、以前から必要性を感じていたインチサイズの工具セット(台湾製10000円くらい)も買いました。ついでにキャブをいじる用の高級マイナスドライバー(なお今回の修理とは全く関係ない)やら、オイル交換時に便利なじょうご(同)やら、洗車に使うメタルコンパウンド(同)やら諸々一通り買いそろえました。ものはついで、というか勢いのあるときに買わないと買えないのであれもこれもそろえる。そう、これが工具沼である。

その2「プライマリーカバーを開ける」

道具もそろったので実作業です。

プライマリーオイルを抜いてクラッチを緩めてケーブルを外しプライマリー側のクラッチ部分のカバーを外しその中の外せる部品を全部外しチェーンテンショナーをゆるめシフトペグを外しステップを外すとプライマリーカバーが外せます。(ここまで画像無し)
そうすると左側に発電するやつ、右側にクラッチ本体が見えて、それらがプライマリーチェーンで繋がっています。それを特殊工具の鉄の板をスプロケットかまして固定し空転を防ぐことで大きなナット(二カ所)が回せるようになります。(やはり画像無し)
発電のやつとクラッチ本体を外すとようやくディテントプレートが見えるようになります。ディテントプレート(↓の画像の21番)は星形をした鉄の板で、シフトドラム(画像の17番)に固定されていてスプリング(画像の31番)の張力でギア位置を保持するのが役割です。(画像は私の優しさ)

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シフターあたり

画像参照元:https://serviceinfo.harley-davidson.com/sip/service/document/273000#t18

さていよいよご開帳ですよぉ・・・?ハァハァ・・・?
さて興奮しながらディテントプレートたそを見たのですがしかし損傷は全くありませんでした。ネットの情報によるとディテントプレートには「旧仕様」のものと「対策済仕様」のものとがあるそうですが、私のバイクについていたのは対策済みのディテントプレートでした(2000年以降製造の個体には純正で対策品が入っているらしいです)。プレートを留めるリテーナスプリング(画像11)の破損などもよく発生する症状らしいのですが、こちらも一切破損なし。
じゃあどういうことだってばよ!とか思いながらもせっかく部品買っちゃったし、新品に交換してプライマリーを閉じました。

修理を終えて試乗したのですが、うーん、まぁほんの少し症状が和らいだかなぁ?って気がしないでもないぐらいのアンニュイなフレイバーがしました。つまり直っていないという事です。禿げそう。

その3「本当の原因」

結構な時間を使って修理したのですが直っていなかった(つーかそもそもディテントプレートは関係なかった)ので、あたらめてネットで原因を調べます。
その結果、トランスミッションの1速ギアに問題があることが分かりました。純正1速ギアの形状そのものに難があり、チョークを引きながらなど高いエンジン回転数のまま1速に入れたりするとギヤが削れていき、そのうち1速カコンの症状が出てしまうらしい。やはりこの年代のスポーツスターにはよくあるトラブルなのだそうです。
いろいろ調べたら米国のアンドリュースというハーレー用社外部品メーカーが対策品の1速ギアを販売しているとのこと。「Andrews Part# 299110」というのがそのギアだそうです。メイン側とカウンター側の2個セットです。なんとか探してようやく米国のebayで見つけたので日本語対応の中間搾取業者を介して購入することにしました(25000円ぐらい)。
※なおこのギアは「91-95XL用」と表記されていますが2000年のXLにも問題なく付きましたので、03年式までならたぶん適合すると思います。

その4「トランスミッション分解」

またプライマリー開けるとか禿げそう。と思っていたのですが作業も2回目ともなると勝手が違います。今回は割とスムーズにプライマリーご開帳完了。
プライマリーの中の発電のヤツとクラッチを外し、出てきたシフター周り(前回修理したやつ)を外すとトランスミッションが丸ごとごっそり取り外せるようになります。

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【画像左】左から:発電のやつ、クラッチトランスミッション
【画像右】空っぽになったプライマリー内部

さて外したトランスミッションの分解を試みます。
シフトドラムを外しシフターアームを外します。シフターアームには念のため赤ペンで番号を記入しておきます。

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あとはCリングを外せば各ギアが取り外せますが、外す際はギアの順番と向きが狂わないように気を付けましょう。(私は何かあっても大丈夫なようにこのとき写真をめっちゃ撮りまくりました)

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開けたついでに「シフトドラム加工」

トランスミッションを分解したついでに「すごくいい」と評判のシフトドラム加工を発注することにしました。先に出てきたディテントプレートをリテーナスプリングで固定するという不安定な純正の仕様を、加工によってより強固なやつに出来るみたいです。これをやっておけば今後はトランスミッション系のトラブルとは無縁になると思い、高かったですが発注しました。だってもう二度とプライマリーとか開けたくないし。(30000円くらい)

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【加工前のシフトドラムとディテントプレート】
真ん中の黒いリングがリテーナスプリングですが、加工によってこの部分が6角皿ねじ留めになります。なお加工後の画像はありません。(撮ってない)

トランスミッション組み立て

部品発注から数週間。時はゴールデンウイーク。ようやく「Andrews製のギア」と、同時期に発注していた「純正の4速シフターアーム」(削れていたので交換、25000円くらい)が届きました。

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【左】梱包状態。どうやらこの品番のギア2つセットが#299110らしいです
【中】中身。真ん中の部分が斜めに削れていてギアが入りやすくなるらしいです
【右】新品の純正4速シフターアーム。4速アームの1速メインギアに接する側が削れていました

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【Andrewsのギアを組み立てたところ】

ギアの組み込みなんですけど、Cリングの脱着が結構大変なのでちゃんとしたスナップリングプライヤーはもっておいた方が無難ですマジで。Cリングにはスナップ用の穴がないので、KTCの先端クローセットに入っている平面のやつが必須です。

さて、あとは来た道を戻るだけです。

組み込んだトランスミッションをプライマリーに挿入して、シフター周りをつけます。
なおシフターがすごくガタガタしていたので開けたついでにブッシュ(2000円くらい)を交換しました。
そんなガタガタのシフター動画(※ユーチューブに動画をアップしてみたかっただけ)

www.youtube.com

なお、ブッシュを交換してもあまりガタは取れなかったので元からそんなもんなんだと思います。

続いて発電のヤツとクラッチをつけます。このときナットに高強度のロックタイトを塗って270Nmとかの大トルクでがっちり締め込みます。ここで大トルク対応のトルクレンチが必須となります。ここをキッチリやらないと後で大変なことになるらしいぜ・・・(震え) 

そんな感じで全部戻せば修理完了です。
ちなみに全ての作業においてサービスマニュアルは必須ですので自分でいじりたい場合は必ず持っておきましょう。

修理完了、試乗

くぅ~疲れましたw あしかけ2ヶ月ぐらいかかって修理完了です!

そんなわけで試乗します。緊張の一瞬です。
チョークを引き、アイドルスクリューを開き、アクセルを何度かひねってキャブにガソリンを送りセルを押します。まあエンジンは普通にかかります。

さてニュートラルから1速に入れてみると・・・

バイク『スコンッ!』

私「!?!?!?はああぁあぁははぁぁぁはhぁはぁああああぁぁぁあ・・・??!!!?!??!??」

くっ・・・!?気持ちいいぜ・・・今までに無い軽いタッチで1速に入りやがる・・・

からの発進。なんか凄く緊張します。ゆっくりとクラッチを繋いでいく・・・
いつもは1速での発進でカッコンとかグワンってなってたんですけど・・・この症状が全く出ません!!!何度試しても出ません!!!これにて本当の本当に修理完了です!!!

ちなみにAndrewsのギアですが、純正とはメイン・カウンターの丁数が違っていて、(正しい表現か分かりませんが)1速ギアが「ロング寄り」になります。純正1速ギアのあのアホみたいなトルク感は薄れますが、その分1速で長く引っ張れるようになります。慣れの問題もありますが、Andrewsの方が自然なギヤ比な気がします。
また今までは発進時にほぼ半クラを使う必要性がなかったのですが、Andrewsのギアにしてからは少し半クラを使うようになりました。

まとめ

バイクを自分でいじるのってとても楽しいです。
同じ症状の方で、この記事を参考にして直そうと思う方はいないと思いますが、運悪く検索で当ブログが引っかかってしまった方は以下のリンクを参考にして下さい。

【参考サイト】(本当に役に立ちました、ありがとうございました)

tsuwamono.blogspot.com

garuda-sportster.blogspot.com

blog.beards-mc.com

 

【バイク修理、過去記事】

gibraltar.hatenablog.com