映画『髪結いの亭主』をご紹介
ヒモになりたい。そんな自堕落な変態ですどうも。
さて掲題の件、先日『髪結いの亭主』というフランス映画を観たので今回はそれをご紹介をいたします。
なお当記事の内容はいつもながらの浅い感想になると思います。
ネタバレありですけれども、でもこれって映像を見ないと伝わらない映画だと思いますのでその辺は気にされず続きを読んで頂ければ幸いです。
目次
映画の概要
概要はWikiをどうぞ。
『髪結いの亭主』(かみゆいのていしゅ、Le Mari de la coiffeuse)は、パトリス・ルコント監督による1990年のフランス映画。セザール賞に7部門ノミネートされた。日本で最初に公開されたパトリス・ルコント作品、監督の名を日本に知らしめた作品。
幼い頃、理髪店の女店主(とてもふくよか)を見て性への目覚めを得たアントワーヌ少年。彼の夢は「髪結いの亭主」になることです。
さっきググって知ったんですけど髪結いの亭主という言葉には暗にヒモの意味があるのだそうですね。私もヒモになりたい。
後の主人公の妻マチルドさん
では順を追って物語を紹介していきます。
おっぱい
髪も伸びてないのに必要以上に理髪店に通い詰めるアントワーヌ少年。
女店主のおっぱいが頬に触れるシャンプーは至高。女店主の赤毛やふくよかな身体、強烈で甘美な体臭、そしてたまに見えるパイチラに少年はおち○ちんをギッンギンに硬くします。いや映画の中には硬くなる描写はないんですけどね、でもそこは硬くなるでしょうよ、12歳男子なら。
シャツの隙間からB地区なんかが見えた日にはもうダメ、帰宅後はずーっとその事しか考えられません。
ある日アントワーヌ少年が理髪店に行きますと、この女店主は死んでいました。
表面上は”鎮静剤の飲み過ぎによる事故死”という風に語られますが、しかしまあ、たぶんアレでしょうな、人生って大変ですからね。
アントワーヌ少年は死んだ直後の髪結いの、そのふくよかな太ももを、そしてその先にある三角地帯をガン見してハァハァします。いや映画の中にはハァハァしてる描写はないんですけどね、でもそこはハァハァするでしょうよ、12歳男子なら。少なくともその後の数日間ネタには困らなかったはずです。
いずれにしても偏った性癖に目覚めてしまったアントワーヌ少年なのでした。
二人目の髪結い
場面は変わってアントワーヌは急におじさんになります。
夢見る少年が
↓
こんなおじさんに(※まだ夢見てる)
ある日アントワーヌが町を歩いておりましたところ一軒の理髪店を見つけます。
その店のカウンターで一人暇そうに雑誌を読んでいたのが彼の生涯二人目の髪結いとなるマチルドさんです。
美人、憂いのある表情、暇そうな感じ、おっぱい、そして何より髪結いという職業。アントワーヌ氏、ドストライクです。
そしてなんやかんやあって二人は結婚します。(説明をだいぶ端折ってます)
変態アントワーヌ氏の長年の夢が叶った瞬間です。
この映画、実はこの辺のいきさつやら機微の描写がキモなのですが、そこは是非ご自身で映画を観て楽しんで頂ければと思います。
書くのが面倒くさいとかそういうのでなくて、この辺はなんとも説明しづらい部分なのです。
この映画はストーリーそのものではなく、こういったディティールの描写であったりとか直接的には描かれない部分などを感性で感じ取ってこそのものだと思います。
ゆえに物語そのもののネタバレはあまり問題にはならないのです。
幸せすぎるという事
結婚してからというもの、二人の幸せな日々は10年にわたって続きます。
いつも通り穏やかに雑誌を読んでるマチルドさん
妻に髪を切って貰って幸せそうなヒモ
平穏な日々。理想のヒモ生活。今までの誰よりも彼を愛する妻。硬く結ばれた愛。
お客にシャンプーをしているマチルドにヒモが背後からそっと近付きちょっかいを出す(性的な意味で)などという変態プレイも楽しみます。
ケンカをしたらタバコを吸って、酒の代わりに店にあったオーデコロンをカクテルにして飲んだりして。ともあれ二人は幸せでした。
小さめの画像を貼っておきますね
理髪店には色々なお客さんが来ます。こうして二人は様々な人の人生に触れます。
そして人の人生というものは、少しずつ、しかし確実に変わりゆくものである事を知るのです。
私のこの幸せも、この愛も、いつかは変わってしまう・・・。
夫を愛しすぎてしまったマチルドはその事に耐え難いものを感じます。というかそもそもなんでこんなヒモ野郎をそこまで愛せるのかが解りませんがね。とはいえマジで羨ましいですこのヒモ。
ある日、最後のお客を見送ると外は激しい夕立となります。雷雨です。こんな天気ですから今日はもうお客は来ません。珍しくマチルドからアントワーヌに言い寄ります。
そしてソファで愛を確かめ合う二人。
愛を確かめ終え、マチルドは「ちょっと買い物に行ってくるわ」と言い残し裸足のまま大雨の降る外へと駆けだしていきます。あっけにとられるアントワーヌ。
彼女には今のこの幸せが失われる事がもはや耐え難い恐怖となっていました。彼女は幸せの感触をその身体に残したまま大雨で氾濫する川へと身投げします。マチルドは死にました。
まとめ
遺書が残されていたことから、マチルドが以前から死ぬことを考えていた事が分かります。
アントワーヌに宛てた遺書の中で
「前略 愛するヒモ様 私は今の幸せが失われるのがすんごく怖いので幸せ絶頂な今のうちに死にます。メンゴ。草々(要約)」
みたいな事が語られる訳ですが、この辺って「行き過ぎた愛」とでも言いましょうか、私の中にあるフランス映画のイメージにバッチリとはまっていてとても好きな部分です。フランス映画って「愛」に対して異様に粘着質な一面を持っていると思うのですよ。
私も彼女を妻にしたいハァハァ
実は私がこの映画を観るのは2回目なのですが、前回観たのはまだ若かった頃でして、その時には全く以て意味不明な映画という印象しか残りませんでした。あの女何で死ぬかなー、なんて。
しかし大人になった今改めてこの映画を観たらいろいろな事が理解できた、というよりは感じ取れるようになっていました。それでも自らの命を絶つほどの愛なんて私には分かりませんがね。
ちょっと歪んでいて、ちょっとエロティックで、愛の深みが描かれていて、人生の機微を考えさせられる、そんな素敵な映画です。ある程度の年齢に達した方なら観て損はないと思います。ラストシーンの余韻なんて、なんとも言えないものがありますよ。
というわけでなかなか眠れぬ秋の夜長、こんな季節の夜のお供にこのような映画は如何でしょうか。