斜陽
「夏日」は最高気温が25℃以上で、「真夏日」は30℃以上、35℃以上になると「猛暑日」と呼ばれるのだそうです。
以前は「猛暑日」なんていう呼び方なんてありませんでした。それは、昔は35℃以上になる日なんてほとんどなかったから。
では気温が40℃以上の日はなんと呼べばいいのでしょうか。
そろそろ特別な呼び名が必要になりそうです。
今日は異様に暑い一日で、埼玉県では観測史上最高気温の記録を更新したそうです。
ノルウェー北部の北極圏では先日、7月としては史上最高の33.5℃を記録したのだとか。
記録更新といっても、この手の記録はあまり好ましい物ではありません。
ニュースの見出しが「記録的な○○」で始まるのなら、大抵の場合それは幸せな状況を伝えるものではないのですから。
今日も私はいつも通り外回りの営業に出ました。
メディアが伝える連日の猛暑。それも、記録的な。
普段はお年寄りで賑わっているこの商店街も、今日ばかりは閑散としていました。
酷暑に歪んだアスファルトを尻目に、私は商店街に面するお客の店舗に顔を出します。
「こんにちは。今日はまた一段と暑いですね」
「いやー全くだね。こうも暑いとさすがに暇だよ」
「ですよね。それで、今日は何かご注文ありますか?」
「あ、いつもの『キジちゃん印♡のラブリー靴下』、あれを5足分」
「靴下ですね。ダース単位で注文頂けたら割引できますけど」
「いや、5足でいいの。今の時代あんまり売れないんだよ、あれ」
「はは・・では今回は5足分でご用意させて頂きますね」
よく言えば長年のロングセラー。裏を返せばただの古くさい商品。
市場に必要とされない右肩下がりの商品でも、私にはそれを売り歩くことしかできません。
「ありがとうございました。またお願いします」
礼を言って去る私の笑顔はたぶん、反射するアスファルトの熱気に歪んでいたことでしょう。
少しでもエンジンを止めると車の中は一瞬で砂漠のような暑さになります。
私は車のエンジンをかけ冷房を最大にし、事務所への帰路につきました。
大地へ落ち行く真っ赤な太陽が、ウインドウ越しに私の頬を厳しく差します。なぜだか、全身にじわりとした痛みを感じました。
日中がどんなに暑くても、日は暮れやがて夜になります。
そうすれば気温は落ち着き、人々は今日という日を終えることが出来ます。
私も仕事を終え帰宅しいつものルーティーンをこなしたら、布団に入り目を瞑ることでしょう。
今日はすぐに眠れるだろうか。
朝は、本当にやってくるのだろうか。
そしていつもと同じ思考を巡らせる。冷房の効いたこの部屋で。
真夜中は真っ暗闇で、秒針が世界の全て
永遠に終わらない時間
一秒ごと、刻まれる苦悩
そんな息苦しさに耐えきれなくなったワタクシは意を決して部屋の灯りをつけ、ベッドサイドに常備してある尊敬するD・カーネギー先生の名著「道は開ける」を開くことにした。
過去と未来を鉄の扉で閉ざせ。今日一日の枠の中で生きよう。
デール・カーネギー『道は開ける』
なるほど。つまり今日の不安は今日という日に置いていき、明日は明日で考えればいいという事か。
たしかにいつまでも悪いことばかり考えていても仕方がない。
それに昔から「明日は明日の風か吹く」と言うではないか。
気持ちの軽くなったワタクシは本を閉じ代わりにスマホを握りしめ、そして「D○M動画」アプリを開きお気に入りの動画を閲覧した。そういえばワタクシはこの動画に「記録的な回数♡」お世話になっている。
左手にスマホ、右手に愚息を握りしめ、冷房のガンガン効いた部屋の中でワタクシは実感するのだ。
「あぁ・・・生きてるって‥・感じ・・・‥ぁっぃ・・・ぁぁぁハァァ」
激しい動きと摩擦のせいで愚息の温度は優に40℃を越えていることだろう。
ワタクシはこれを『コク暑』と名付けようと思う。
おっぱい揉みたい。
というわけで
今週のお題「わたしのモチベーションを上げるもの」
「D・カーネギーの書籍」と「エロ動画」です、はい( ´_ゝ`)マスヲサンメンゴ
- 作者: デールカーネギー,Dale Carnegie,香山晶
- 出版社/メーカー: 創元社
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