キジログ@愛

鴨宮☆隆がその半生を綴るブログ

ネット黎明期の話(その4) - 「エキチャ」で女子に会う

(初稿:2017-04-26)

(前回からの続きです) 

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【これまでのあらすじ】

ネットでエロ画像を保存する日々に虚しさを感じ始めたキジ少年(私)はチャットの存在を知るのであったが、、、

 

 ☆今回もわりと長文です お暇な方だけどうぞ☆

 

  

 

君がまだ「キレイなエキチャ」だった頃

私『チャットか・・・まぁICQみたいなモンだろ』

 

これは私が初めてエキサイトチャット(通称エキチャ)のサイトを見たときの感想です。

当時はまだ「SNS」という言葉自体が存在せず、ネット上の交流となると前回登場した「BBS」や「ICQ」、そして今回お話する「チャットサービス」等が主流でした。

しかしながら人間が生来持つ「他人と繋がりたい欲求」は強いもので、今見れば簡素なネット・コミュニケーションでしたがそれでも当時は大いなる盛り上がりを見せていました。

SNSや通信環境が大幅な発展を遂げた現在でこそその隆盛は当然の如く受け取られがちですが、しかしそれらはこの時代から脈々と受け継がれ、そして人々の持つ普遍的な欲求を糧とし堅実に発展して来たものなのです。


私『なんか楽しそうだし、ちょっとやってみるかな』


自分の名前を入力してチャットルームに入室。
既に数名の男女が会話を繰り広げているようです。



【チャットルーム08】ただいま 4人 が入室しています

キジ > こんにちは、はじめまして!

クリ夫 > こんー

ヤサ美 > はじめましてー

ケロ子 > こんにちは!キジさんはここ初めて?(^^)/



という感じで適当に会話が繰り広げられます。
でもみなさんなんだか良識のある感じでとても雰囲気がいいのです。
現在では少なくなりましたが、当時のネット民は打算のない比較的穏やかな人が多かったように思います。(もちろん現在も優しい方はたくさんいます)
これはいいものを見つけた、開始1分でそう直感しました。

 

当時はあらゆるポータルサイトがチャットサービスを提供していました。Excite以外にもYahoo、goo、AOL、infoseek、MSNなど様々なチャットサービスが存在したと記憶しています。

ただ、数多あるチャットの中でもエキサイトだけは何かこう、雰囲気が違っていたました。

人が多い割に「荒らし(※)」も少なくみなさんフレンドリーですし、それぞれが純粋にコミュニケーションを楽しんでおられました。

(※)「荒らし」とは、文字通り掲示板等ネット上の公共コミュニティを荒らす為にわざと人の嫌がる文章を書き込みそれを生き甲斐とする人達に対する蔑称。「無意味なコピペの連投」や「有用アプリに偽装したウイルスファイルへの誘導」など大変陰湿な行為を好む。いつの時代でも必ずいますね、こういう人って。


それからというもの、私は暇さえあればいつもチャットをするようになりました。

まぁ毎日暇だったんでほぼ毎日ルーム内にいたんですけど。


【チャットルーム08】ただいま 2人 が入室しています

キジ > こんー!今日は誰もいないの?

ケロ子 > わたしならいるよー(笑)(^^)

キジ > おお、ケロ子か。今なにしてんの?


このケロ子さんとは以前に何度かお話ししたことがあります。

話の内容から恐らく歳は私と同じぐらいの大学生、チャットの文面からもその性格の良さがにじみ出る女子で、そして顔は知りませんがしかし彼女は確実にかわいいし巨乳です(断言)。


ケロ子 > 今ね、大学の課題やってて息抜きだよー(^_^;)

キジ > そうなんだ、そういやオレも大学の課題やんなきゃだなー

※注釈:歪みながらも成長したキジ青年。この頃には大学生(童貞)になっております

ケロ子 > でも来たら誰もいなくて(笑)キジくんがきてくれてよかったよ!(*^_^*)

キジ > そうなんだ(笑)ところでケロ子って今何年だっけ?

ケロ子 > 2年だよ。キジくんも学生だっけ?(-_-)

キジ > 同じだわ、オレも大学2年


どうやら私とケロ子さんは同じ学年の様です。
胸に抱いていた親近感が更に深まります。

「このまま僕たち二人だけでどこまでも行こう(=チャットするだけ)」という気持ちが芽生えましたが、こういうときに限って余計な輩が入室してくるのです。


ポロ助 > どもどもー、チミたち調子どう?(爆

ケロ子 > こんにちはー、調子はいいよ!(笑)(^_^;)

キジ > どもっす

ポロ助 > おっ!ケロちゃん発見ナリ(藁

ケロ子 > さっきまで一人だったんだよ~(-_-)


突如入室したこの輩、今で言う「出会い厨」のような人物で、私のいるチャットルーム内でも割と嫌がられていた存在でした。しかもこの人いい年した「おじさん」だそうで。


ポロ助 > ねぇケロちゃ~ん、今度会おうよ~、いいでしょ~ん(藁

ケロ子 > えー、、、、(汗

キジ > いやいやポロ助さん、ケロ子嫌がってるじゃん、やめなよ

ポロ助 > じゃあせめてケロちゃんの画像ちょうだいよ~
    > おじさんにエロ画像キボンヌ(爆



私『嫌がっている女子にエロ画像を要求するなんてとんだ変態オヤジだなこいつ!お前なんか藁に埋もれて爆ぜろよ!オレはこんな大人にはぜってーなりたくねぇ(※過去記事参照) (※大人になった私が「チャットで女子にエロ画像をキボンヌしてクッソ蔑まれる」という内容の記事に飛びます)



チャットでこんな激しい怒りを覚えたのは初めてでした。

その時です、チャット画面とは別のウィンドウが開きました。



(別窓)プライベートチャット 【ケロ子】さん と話しています

ケロ子「キジくん助けて~(T_T)」



一時期のエキチャを神たらしめた主な要因はこの「プライベートチャットモード」に集約されると私は考察しています。

これは通常のチャット画面で複数人と話をしながらも、気になった相手とは別窓で一対一で会話できるという機能です。

皆がオモテで平和な雑談を繰り広げる中、ウラで行われる二人だけの秘密のプライベートチャット、その特別感。もはや神機能すぎて後光が差すレベル。

が、便利すぎる機能は無数の人間をその場に引き寄せ、後に自らの足をすくう事となるのですが。



キジ『大丈夫?ていうかあいつヒドイよな』

ケロ子「わたしあの人無理・・・(T_T)」

キジ『じゃあもう俺たちだけで会話しない?』

ケロ子「うん、そうしよう!(^^)」



くだらない独り言でチャットルームを汚す変態おじさんを無視し...

 

私とケロ子 二人だけの秘密のランデヴー

 

それは お互いとって特別な時間

 

通い合う心 そして・・・


徐々に惹かれていく二人・・・


そう、僕たちの愛はもう繋がっている

キリンジ - 「Love is on line」
この曲は2006年リリースでちょうどmixi全盛の頃ですが、当記事はそれより数年前の話です。

Love is on line

Love is on line




「え?キジくんとわたし同じ大学??」ついにオフラインで会う

いつまでも続くケロ子さんとの楽しい会話。ピュアな青年(=童貞)であった私にも理解できていました。「コレは行ける」と。

さらに話をしているうちに、なんと私とケロ子さんは同じ大学に通っている事が判明したのです。マジで奇跡!いやマジで!イヤフゥゥゥゥーッ!!(爆)

私は大変興奮しながらも巣にかかった美しい蝶を逃さぬようそっと獲物に近づく「ハングリースパイダー(※布石1)よろしく慎重に攻めていきます。

 

キジ『マジか、まさか同じ大学だったなんて』

ケロ子「ほんとビックリだよー!(>_<)」

キジ『学部は違うけど、もしかしたらどっかですれ違ってたりして』

ケロ子「えー、やだー!なんか恥ずかしいかも(^_^;)」

キジ『どうせなら俺ら学校で会わない?』

 

文字で見るとあっさり言った風ですがしかし際には緊張しすぎて脂汗かきながらブルブル震える手でギリ送信ボタンを押しています。

ゲーセン女子の一件「粘着質な文面は女子に蔑まれる」事を学習して以来、文面だけは常に平静を保つ事が出来るようになっていました。

 

 

 

いつもは返信の早いケロ子・・・

 

だがすぐに返信が来ない

 

ほら・・・ 僕らはもう惹かれ合っているんだよ・・・

 

君に必要なのはあと一歩の勇気だけださ・・・

 

 

待つこと数十秒・・・









ケロ子「・・・うん、いいよ」











 

 

(≧◇≦)/ 来たコレーーーー!!!





 

 


 

思い返せば苦しい時代がありました。数多の女子からの冷酷な視線を乗り越え、そしてついに「どうしようもないボクに天使が降りてきた(※布石2)のです。

 

ケロ子「でもわたし、かわいくないよ?いいの・・・?」

キジ『俺はそういうんじゃないよ(笑)(何言ってんだコイツ。テメーはかわいい系の巨乳に決まってんだろ)』(萌えー)

ケロ子「でも・・・」

キジ『見た目がかわいいとかそういうの俺気にしてないから』(巨乳萌えー)

ケロ子「じゃあさ・・・先にお互いの写真を送ろうよ。それでわたしの事がいやになったら会わなくていいから」

 

ここでふと我に返りましたが、これは完全にマズイ状況です。

ケロ子さんはかわいいに決まってるというか彼女の画像はすでに完璧な美少女として脳内に念写(妄想により)されているのでそっちはどうでもいいのですが、

一方、過去に女子から冷ややかな目で「おまえの顔面ちょっとガッツ石松入ってね?」と言われたことのある私にとっては自分の顔面を女子に晒すことに相当の抵抗があります。

というか浮かれすぎて自分の顔面が「OK牧場」であることをすっかり忘れていた俺どうすんのこれ。


ケロ子「じゃあわたしが先に送るから(>_<)」

キジ『え、ちょ、まってあsfhっっf

画像「トランスファー」



まだ画像を送ると決めたわけじゃ無いのに、、、

ケロ子さんは先走って勝手に送ってきやがりました。


キジ『いや俺画像ないからさ、ケロ子の画z 画像「ほんなら表示しまっせ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・え゛?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハングリー・スパイダー
トランスファーされた画像(画像クリックで曲動画)
(※画像はイメージです。実際には槇原敬之です)

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜ?

 

 

 

 

彼女は??

 

 

 

 

マッキーの???

 

 

 

 

画像を????

 

 

 

 

 

 


もし彼女に会いに行くなら以前バイトの面接用にしつらえた一張羅「タケオ・キクチ」のスーツ一択であると決めておりましたがなぜ貴女は「ノリユキ・マキハラ」のピクチャーを?「ユミ・カツラ」のAラインからB地区が見えそうえっftf!あ゙ーーー(混沌)


ケロ子「・・・どう?大丈夫そう?( ;  ; )」

キジ『・・・だから俺、そういうんじゃないから』(否定も肯定もしないスタイル)

(補足)本来でしたら当ブログのネタとしては「ケロ子さんは本当に可愛かったが私がブサイク過ぎて結局振られる」ぐらいの方がノリ的にも書きやすいのですが、しかしあくまでも事実に基づいた文章を綴る事が私の信条です。ですから事実をありのままを伝えています。いい子だったんですよケロ子さんは。その分書いてて本当に辛い。


ギリギリの所で自我を保って返信した私ですが、腹を空かせた蜘蛛(スパイダー)SAN値を削られ過ぎてもはや事切れる寸前です。

 

ケロ子「良かった・・・ほんとはちょっぴり心配してたんだよ?(T ^ T)」

キジ『・・・だから俺、そういうんじゃないから』

 

すでに私の狂気耐性ゲージはほぼゼロでしたが、最後の力を振り絞りどうにかコピペで返信することが出来ました。だがケロ子は私に対し容赦なく追い打ちをかけます。


ケロ子「じゃあ今度はキジくんの番だよ!ドキドキ(>_<)」

キジ『・・・だから俺、そういうんじゃな


すでに意識が朦朧としており危うく3度目のコピペを送信してしまう所でしたがギリギリの所で意識を繋ぎます。


キジ『あ゛ 送りまするね』

画像「トランスファー」 


この時すでに正常な判断力は失われており、「自暴自棄」と「混沌」に精神が支配されるなか送る画像を選ぶのですが、本能が「自我崩壊」のデッドラインを見極めていたのでしょうか、無意識に「できるだけ顔が分かりづらいヤツ」を選び送信しました。



そしてなぜか5分以上返って来ない返信。



キジ『ことばーにぃ ならなく~てもぉ いい かぁ らぁ~』

槇原敬之 - 「素直」



私の脳内でマッキーが歌っています。


ケロ子「なにそれ。でもキジくん、まあ・・ふつう かな 

 

キジ『   うん』(白目)


ケロ子さんもギリギリの所で言葉を絞り出したのだろう。

厳しい。お互いに大変厳しい。



先程まで展開されていた二人の流れるようなキータッチはどこへ消え去ったのでしょうか。今や「話を切り出す順番」の譲り合い(「素直」by.槇原敬之)です。


2分経過。


ケロ子「じゃあ学校のどこで会おうか」

キジ(え?まだ諦めてないのかコイツ・・・?)

ケロ子「B食堂でいい?」

キジ『あ、はい。それで結構です。』


もう何も分からなくなってしまいました。

彼女の気持ち 私の人生 インターネット マキハラ この世の全て

私はただ、「どんなときも」ノリの変わらないチャットおじさんのくだらない発言を見つめることしかできなかった。


 

あたし・・・汚れちゃった「汚いエキチャ」

一時期は異様なまでの盛り上がりを見せた「エキサイトチャット」でしたが、人気が出すぎたせいか次第に「出会い厨」や「荒らし」にその場を占有されるようになります。

それに焦った運営は対策として「登録制」を導入。

しかし時既に遅し。

これより以前からユーザー離れは始まっており、さらに「登録してまでチャットなんてやんないし」というライト層からは完全に見向きもされなくなりました。

 

それと時を同じくして「SNS界に降り立った最初の巨人」こと「mixi」のサービスが開始されます。

現在でこそmixiは「モンストで儲かってる会社」ぐらいの印象しかありませんが、SNS創生期におけるその爆発力、そして社会に与えた影響は未だ完全に消え去ったとは言えないでしょう。

 

キヌ夫「え、おまえミキシーやってないの?なんで?」

 

友人のキヌ夫はmixiで友達を集め中学の同窓会を開くのだそうです。

猫も杓子も男も女も「mixi!」「mixi!」「mixi!」ヽ(゚◇゚ )ノヽ( ゚◇゚)ノ

いつしか「我が垢持たぬは人にあらず。滅!」といった空気さえ纏い始めていたmixi。
しかしユーザビリティを追求しすぎたせいか次第にガラパゴス化、混迷を極めたそのサービスは後発の「フェイスブック」「ツイッター」などグローバル勢力にあっさり取って変わられます。エキサイトチャット然り、ネットサービスの興亡は得てして同じ道を辿るのです。

その後しばらくは地下に潜り泥水をすすったmixiでしたがその後はマーケティングが当たりソシャゲで復活、そして現在に至ります。

その復活劇はさながらとうの昔に自分を越えてしまった後輩である「スマホ氏」に対しプライドを捨て頭を下げて教えて貰った最強装備「ソシャゲ課金」を武器に過去に辛酸を嘗めさせられた「宿敵(おきゃくさま)」をバッサバッサと斬り捨て積年の恨みを晴らす復讐劇といったドラマの様相。


さて私とケロ子さんのその後ですが、

  • 学校で一度会いました。
  • 学食で一緒にご飯を食べました。
  • とてもいい子でした。
  • 二人でチャットに出てくる変態おじさんの悪口を散々言って解散しました。
  • それ以降お互いに連絡は取っていません。
  • 学校内で会うこともありませんでした。
  • 「もう恋なんてしない」と思いました。

以上。

 

 

 

 

混沌と共に。「深く潜れ」

「エロサイト」

・・・それは安住の地。

 

私はまた戻ってきてしまった。

驚異的通信速度を誇る「ADSL」サービスが一部地域で開始される中、私は今日もアナログ回線でのエロ動画収集に余念がない。

エロサイトのブックマーク数が100を越え、そして落とした「.rmファイル(※)」の数が1000を越えた時点で私は「テレホタイムマスター」を自称していました。(一人で)

(※)「RMファイル」とは「リアルプレイヤー」という動画再生ソフトでのみ再生可能な動画ファイル形式のことです。そのファイル容量の小ささから当時のエロ動画サイトにおいて圧倒的なシェアを得ていました。一時期は(エロ)動画界を席巻したフォーマットでしたが、基本的に携帯に未対応(たぶん)だったり独自規格を強制してくるその頑固な姿勢が仇となり現在ではほぼ絶滅しております。

 

私『もはやネットにときめきなど存在しない・・・』(※チャットに飽きただけ)

 

エロサイト、BBS、ICQ、チャット、、、、失った愛は取り戻せません。

 

「まとめサイト」も存在しない時代です。

インターネットで時間をつぶすには限界がありました。

だが他にやることのない私は日々ネットサーフィンに繰り出します。

そしていつかどこかの掲示板で見かけた一文を思い出す

 

このテキストグロいけどすごく面白いよ
http://www.~~~~~

 

私『テキストサイトってやつか・・・まぁ見てみるか』

 

始まりはいつもそんなもの。

何気ない行動が思いもよらない結果を産むのです。

 

なんとなく開いたそのサイト

 

真黒な背景に赤文字でこう書かれています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(その5へ続く)

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