でも旅は続く

金曜日

朝から相変わらずの不調。昼に客先に出かける。コンビニでもろもろ買い物。淡墨の筆ペンは確かデスクの中にあったはず。火曜は祝日だったが今週は長く感じる。

土曜日

午前中にジムに行きトレーニングを終わらせておく。昼ごはんは冷凍もの。午後は本を読み昼寝。夕方にタクシーで出かける。喫煙所で馴染みと合う。と言ってもお前とももう二年ぶりぐらいか。黒く長い列。泣きじゃくる幼子。榊を献上する神式は初めてだ。別室にて寿司とビール。見覚えのある顔がぽつぽつと。やぁ、君とは卒業以来か、でもすぐに分かったよ、変わらないね。場所を移し旧友と二人で飲み直す。ネクタイを外し、改めて献杯。肴は仕事や家庭の話。こいつもいろいろ大変らしい。

日曜日

歯医者の待合で時間潰し。昨夜の様子が中学の同窓グループに流れていた。彼の遺影はいつもの優しい笑顔だった。長く病魔と戦っていた。最期は辛く苦しかっただろう。昨日はちゃんと彼の顔を見てやれなかったな。そんなことに今更気付いた。

月曜日

俺はいつも通り出社して、いつもと同じ顔をして働くのだろう。調子だってどうせ、悪い。昔、親父が言ってた。長くやってるとな、悪いこともあるけど、いいこともあるよ。どうしたいかはお前が自分で決めればいいんだよ。

何も決められないから辛いんだぜ、親父。俺には捨てることすらできないんだ。このままで、この先いいことなんてあるのかい？

分かってるよ、先のことなんて、神様にでもなんなきゃ分からないよな。ここらは人間だらけさ。そう、辛くても、辛くても、辛くても、でも旅は続く。