キジログ@愛

鴨宮☆隆がその半生を綴るブログ

窓を開けて休日を過ごす

世間は黄金週間に入ったが、皆一律にステイホーム、外出の自粛を要請されている。

昨日の朝だったか、携帯電話に緊急速報が入り、それは知事からの外出自粛依頼であった。

本来ならば五月というのは新緑の季節で、外気温もちょうど心地よく、一年の中でも特に外出に適した時期であるが、しかし今年はそれすらも叶わない。私が本来真面目な性格であるからか、又は保守的な家族の執拗な要請に従ってか、とにかく、外に出たい気持ちを押し殺して家の中で過ごすのである。

時間潰しの目的で、ゲームを買ってプレイしているが、しかしどうやっても不惑を超えた大人が一日中遊び続けられるものではない。では映画や読書はどうだろう。これも、一度見始めれば最後まですんなり行くのだろうが、しかしその「見始める」ということが私には非常に高いハードルなのだ。とにかく腰が重い。私には「何かを開始するのこと」それ自体が億劫なのだ。それが時間を食うのが確実な事であれば尚更。

そんな性分であるので、なんやかんや、結局はベッドに寝転がりながら短時間で終わるどうでもいい動画を次から次へと垂れ流し続けるのである。もちろん何も面白くない。ただ、じっとしているよりマシというだけ。


そんな生活を余儀なくされ(とは言えそれなりに慣れてはきたが)、さすがに肉体が鈍っているのを感じた私は、朝のうちに近隣をランニングする事にした。(マスクの着用を、家族から外に出る条件として課された)

海沿いの産業道路を、緩いペースでのんびりと走る。堤防には釣り客が、それぞれ暇そうな顔してぼーっと糸を垂らしている。気持ちのいい風が私の頰を通り過ぎる。

道の最奥にある発電所の入り口まで来て、『関係者以外立入禁止』と書かれた看板にタッチをし、そこでUターン。ペースを崩さず来た道を帰る。復路で、私は、道端の自販機で飲料水を購入した。水が美味しい。自宅への帰路にある公園で軽く懸垂をして、家に帰る。


シャワーを浴びて、洗い立てのシャツに袖を通し、そしてベッドに寝転がる。柔らかい日差し。五月晴れ。私は部屋の窓を全開にした。風がカーテンを揺らし、私の腕を撫でる。

私は五分ほど、ただそうして風を受け呆けていたのだが、さて、これからどうしようか。なんにせよ、午後は午後で暇なのだ。

なんとなく、本を読もうと思った。端末を手に取って、電源を付ける。物語は「僕」が「見知らぬ女」の部屋にいる場面で止まっていた。端末の画面には、章を読み終わるまで2時間11分、と出ている。

私は、今なら、なんだか読めそうな気がした。


さて、そうしてせっかく本を読み始めたのはいいが、かわいらしい邪魔が入り読書を中断させられるのは、また別の話。